公共施設マネジメント支援
公共施設のあり方が問われている
連携協定を結ぶ松阪市において2015年度から3年間、公共施設マネジメントの検討を支援しました。特に3年目は小松尚教授が参加して、小中学校施設の今後について公開の市民討論会も行いながら検討を重ねました。
どの自治体でも公共施設の総保有面積の4~5割を占める小中学校施設のあり方は、財政面だけでなく当該学区の将来を左右するため、これまでのような聖域扱いは難しいと言えます。少子化が進む中での学校規模の適正化、改修や建替えによる学校施設の長寿命化や複合化、地域コミュニティの拠点としての学校施設・用地のあり方、また数字ではなく地図を拡げて地理的、社会的特性をふまえて地元と時間をかけて議論していく必要性を確認しました。
地域に開かれた学校校舎を地域とともに計画する
これに並行して2015年度から始まった中学校の校舎建替事業にも小松尚教授が参画し、基本構想から実施設計の内容に助言しています。この中学校は文部科学省が推進するコミュニティ・スクールに指定されており、地域と学校の連携による教育支援や地域づくりの活動を、中学校を拠点に実施しています。新校舎の基本構想から基本設計においては委員会形式の議論だけでなく、学区住民や学校教職員、保護者、生徒が参加して、新校舎で行いたいことについて意見を出し合って共有するワークショップも行われ、校舎の開放可能な部分を地域も利用する、学校と公民館が一体化したような校舎が計画されています。この計画の方向性は、コミュニティ・スクールとしての校舎のあり方を追求した結果であると同時に、市の公共施設マネジメントのモデルケースになりえるものです。
学校運営も地域とともに
2018年度には建設工事に入り、2020年4月からは新校舎での授業が始まる予定です。
しかし、新校舎の完成はこの学校と地域、そして市の公共施設マネジメントにとっては一通過店です。現在は新校舎の円滑な利用、運営のための体制づくりに向けた議論が重ねられており、小松尚教授も継続して助言・支援しています。