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共発展センターが協力する「白川・東白川地域公共交通活性化協議会」が
交通関係優良団体として国土交通大臣から表彰

岐阜県加茂郡白川町・東白川村と環境学研究科は、2018年に連携協定を締結し、その一環として、地域公共交通政策に関する協力を共発展センターの加藤博和教授が行っています。2町村が共同し、加藤教授も参画して地域公共交通充実を進める法定協議会「白川・東白川地域公共交通活性化協議会」が、2024年12月16日(月)に国土交通省の「交通関係優良団体大臣表彰(地域公共交通部門)」を受けました。この表彰は毎年おおむね5団体に行われています。
2町村は山間部にあり、岐阜県内で人口減少や少子高齢化が最も著しく、鉄道駅はあるものの高校は存在しません。2016年に運転者不足から路線バスが減便され、自宅から高校への自力での通学が困難な地域が拡大し問題となりました。それをきっかけに公共交通の抜本的な見直しが始まりました。小中学生通学バスの活用によって朝はもとより夜間の便が追加され、域内からの高校通学が便利になったことや、住民が運転ボランティアとなって各地区でオンデマンドの交通手段が運行し、路線バスと乗り継ぐことで高齢者の移動も楽になるなど改善が進みました。さらに白川町内の民間の総合病院が運行する通院バスを統合し、運行効率化・経費節減や利便性向上を実現しました。以上のような改善が大臣表彰の理由となりました。
この2町村での取組をいっそう進め、定住促進の有効なツールとしていくとともに、全国への横展開を図るために、コンサルティングファームを中心として様々な取組を今後も進めてまいります。
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表彰状を手にする協議会会長の佐伯正貴・白川町長(中央)、
副会長の今井俊郎・東白川村長(右)、副会長の加藤博和教授(左)
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【世界首長誓約/日本】第7回運営委員会開催

2025年2月6日(木)、世界首長誓約/日本の第7回運営委員会をオンラインで開催しました。運営委員会は、誓約自治体の首長11名の運営委員で構成されています。第7回運営委員会には、上士幌町長、富谷市長、所沢市長、岡崎市長、みよし市長、肝付町長と、豊橋市副市長、与謝野町副町長、そして余市町、京都市、志布志市から首長代理の方々が参加しました。
開会にあたり、日本事務局がある名古屋大学大学院環境学研究科の横山智研究科長が挨拶し、「欧州委員会の受託事業終了後も、名古屋大学は脱炭素社会や気候変動に適応した社会の形成に向けて世界的な貢献をすべきであり、世界首長誓約/日本の事業を継続するために、ドライビングフォースとなる事務体制を強化した。2024年5月から専任の准教授1名を配置している。名古屋大学大学院環境学研究科は今後もできる限りのサポートを約束する。」と述べました。
来賓挨拶は、環境省の大臣官房地球脱炭素政策調整担当参事官の大倉紀彰氏から頂きました。大倉氏は「国の地球温暖化対策計画、第七次エネルギー基本計画が決定される大詰めのとき、年度内には新しい国の目標値が確定、国連に提出される。かなり大きな数字だが、中長期を見据えた取組を地方自治体にもしていただきたい。環境省の脱炭素先行地域のコンセプトは、人口減少など様々な地域課題を脱炭素と同時に解決していくというもの。再エネ、省エネ、コンパクトシティなど都市構造にも踏み込んだ対策をして、しっかり地域経済が回るような形にしていくことが1つの方法。世界首長誓約/日本のような先進自治体が集まって、その取組が、環境省が言う『ドミノ倒し』のように、自治体に波及していくことが非常に大切。環境省としても応援したい。」と、誓約自治体への期待を述べました。
続いて、運営委員長である岡崎市の内田康弘市長が挨拶し、議長を務めました。日本事務局から、2024年の活動について徐非凡准教授が報告し、2025年の活動計画案と実施要領改正案を杉山範子事務局長が説明、議案はすべて承認されました。
年度内に決定される国の「地球温暖化対策計画」により、国の新たな温室効果ガス削減目標が決まりますが、「世界気候エネルギー首長誓約」では、国の目標以上の削減を目指すことを誓約するスタンスは変わりません。新しい国の削減目標に伴う実施要領の改正も満場一致で承認されました。
意見交換では、北はこれまでにない大雪を経験している北海道上士幌町から、南はコーヒーの試験栽培を始めたという鹿児島県肝付町まで、11名の委員が順に発言しました。 首長からの意見や提案、各地で実施されている地域に即した様々な気候変動対策、首長の意気込みなどが話され、委員の想いが伝わりお互いに刺激を受けました。特に、委員のみなさんは、自治体間の交流と情報共有が重要と発言され、このネットワークから貴重な情報を得ているとのことでした。2025年も日本事務局は誓約自治体をサポートしていきます。
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「世界首長誓約/日本」運営委員会(オンライン開催)
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「世界首長誓約/日本」の詳細は、こちらのウェブサイトをご覧ください。
https://covenantofmayors-japan.jp/

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愛知県創生研鑽会参加チームが
地方創生・政策アイデアコンテストで地方創生担当大臣賞を受賞

東京海上日動火災保険株式会社が主催し、環境学研究科、愛知県、名古屋市等が共催する若手人材育成事業である愛知県創生研鑽会の参加チームが、内閣府主催地方創生・政策アイデアコンテストで最高賞である地方創生担当大臣賞を受賞しました。
このチームには大学院の体系理解科目「持続可能な地域づくり実践セミナー」の一環として都市環境学専攻M1の山﨑泰雅さんが参加しました。山﨑さんらのチームは子育て支援の充実を通じた出生率の向上を目指した政策提案を考え、「地元企業×家庭みんなで育てるファミリーサポート事業の新たな展開」というテーマで政策アイデアコンテストに応募しました。大企業社員に対するアンケート調査などで、子育てにさく時間が思うように取れない実態が明らかになるとともに、行政が行っているファミリーサポート事業が広がらない理由についても考察しました。これらの解決策として、企業が社会貢献の一環としてファミリーサポート事業にサービス提供側として参加することで、企業の人材やリソースを活かした子育て支援ができることを提案し、審査員から高い評価を得ました。
受賞後は愛知県知事への表敬訪問も行いました。このように修士課程で実践的な政策提案を行う機会を持てたことは、今後の研究や将来の仕事において大切な経験となったものと思われます。
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受賞したチームと伊藤良孝大臣。右から二番目が山﨑泰雅さん。
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【臨床環境学研修(ORT)】三重県鳥羽市で報告会を開催

「臨床環境学研修(ORT:On-site Research Training)」の報告会が、2025年2月17日(月)に三重県鳥羽市役所本庁舎で開催されました。2024年度は博士後期課程の学生3名が鳥羽市をフィールドとして持続可能性に関わる課題を発見し、現状把握と解決方法の提案を行いました。
報告会では、学生3名が「鳥羽市リサイクルパークを中心とした地域内資源循環システムの可能性」と題して研究成果の報告を行いました。鳥羽市リサイクルパークで生産された生ごみ堆肥をクロノリの品質低下問題の解決へ活用する可能性を中心に、「鳥羽市における生ごみ堆肥化事業自体の現状と課題」、「生ごみ堆肥と鶏糞肥料に含まれる栄養塩の比較調査」及び「生ごみ堆肥のノリ養殖への活用における資源循環フローの検討及び受容性の調査」、という三つのパートに分けてそれぞれ調査し分析を行いました。その分析結果を踏まえて、これまで取り組んできた人々の支援と新たな取組参加者の獲得、生ごみ堆肥を用いて生産した食品に対する消費者の受容性向上などについて提案しました。
ポスターセッションでは、鳥羽市長・中村欣一郎氏をはじめとする鳥羽市役所職員やヒアリング調査等にご協力いただいた鳥羽市リサイクルパークの関係者等の20名程度が参加し、学生と活発な議論が行われました。そして意見交換会では、「生ゴミからノリへ!?鳥羽ならではの資源循環を考えよう」について議論が行われました。また、資源循環以外にも、堆肥化の取り組みを通じて地域住民のつながり形成や、サステナブルツーリズムへの発展などの可能性も見えてきました。
今年度は、異分野の学生が協働して課題にあたることで、共通の研究目標を達成するために、それぞれ部分的に分析を担当し、最後に成果を取りまとめて処方箋まで提案し、超学際的な研修となりました。
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報告会後、パネリストと参加者たち
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詳細は、こちらのウェブサイトをご覧ください。
https://ercscd.env.nagoya-u.ac.jp/jpn/course/onsite/2024ort.html

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共発展センターでは、自治体との連携5件、企業との連携4件、国や研究機関との連携2件の計11件の案件を、学術コンサルティング・受託研究・共同研究として受託しました(受託総額は約4,800万円)。地方自治体との連携や企業との連携などいずれの案件においても、大学としての専門性を生かしながら、より実践的な支援を行うことができました。当センターは地域公共交通、CSR活動および環境エネルギー技術開発に関する多くの実績を持っています。2025年5月には「臨床環境学コンサルティングファーム説明・相談会」を開催する予定です。
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本号では、今年度の共発展センターのプロジェクトやイベントの報告などをお届けします。共発展センターの教育活動として統合環境学特別コースを11年間実施しました。多くのフィールドで実習を行い、その研究成果をまとめた論文投稿や学会発表も数多くあります。2025年度より臨床環境学プログラムへ変わります。臨床環境学研修とSDGs基礎セミナーの2科目で、座学と実習を融合し学際的な研究者を育成することを目指します。引き続きご支援いただきますようお願いいたします。

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