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交通・都市国際研究部門

電気自動車? 燃料電池車? 新しいエコカーを求めて (2)

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研究担当者: 日比野 高士 教授
長尾 征洋 助教
小林 和代 研究補助員


 キャパシターの車載搭載を目指して 

hibino_2_1.pngキャパシターは、二つの電極と電解質から構成されており、電解質のプラスイオンとマイナスイオンを対向して蓄積することで充電し、またそれらイオンを放出することで放電する蓄電デバイスです(図1)。
従って、キャパシターはバッテリーと同様に繰り返し充放電できますが、バッテリーと異なり充放電過程で化学反応を伴わないため高速充放電が可能であり、かつ電極劣化が少なく繰り返し特性に優れています。
その他の特徴として、電気容量ではバッテリーが勝るものの、パワーではキャパシターが高く、また安価且つ安全でもあります。

一方、車両では、車輪にジェネレーターやオルタネーター(発電機)を取り付け、減速時の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収し再利用する低燃費技術が積極的に採用されています。
そのための蓄電デバイスとして、従来はバッテリーが用いられてきましたが、上記の理由により現在、キャパシターへの代替化が強く望まれています。
しかし、車両、特に乗用車ではエンジンルーム内の温度が最高で約125℃まで達するため、キャパシターの熱管理が実用化への大きな課題でした。


 耐熱性の向上:液体電解質から固体電解質へ 

hibino_2_2.png今回、研究グループでは、キャパシターの電解質として一般に用いられている低沸点電解液を見直し、新たに水素イオン伝導性セラミックスであるピロリン酸スズ化合物に置き換えることを発案しました。
ピロリン酸スズ化合物は、室温から200℃の幅広い温度範囲で水素イオンが高速で伝導し、また約2Vの電圧にも耐えられ得る材料です。
このセラミックスを市販のポリマーと混合し、圧延することにより、緻密・柔軟なフィルム状電解質としました(図2)。
電極には従来のキャパシターと同様に活性炭を使用し、充放電試験を行ったところ、150℃でも7000回の安定した繰り返し特性を示しました。
さらに、キャパシターとしての性能も鉛蓄電池に匹敵するエネルギー密度10-30Wh/kgを発揮しました。

【効果】

本研究で開発されたキャパシターは、車両の減速エネルギーを効率よく電力として回収し、
エアコンやオーディオなどの電装品の電源として再利用することで、
特別なモーターやバッテリーを用いなくとも約10%の燃費改善効果をもたらすことが期待できます。

【今後の展開】

キャパシターの電気容量は、使用する活性炭の表面積だけでなく、酸化状態にも影響されます。
例えば、活性炭を希硝酸で処理することにより、その表面が部分的に酸化され、カルボニル基(-C(=O)-)などが生成します。
これらの官能基は、自ら酸化と還元を行うことで電気を蓄積することが可能です。
今後、研究グループでは、この手法を利用し、電気容量のさらなる改善に努めていきます。


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化学は過去に公害の元凶とみなされ,また石油に強く依存した分野でした.
しかし,最近ではグリーンケミストリーとして
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