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臨床環境学プログラム

2018年06月18日 平成30年度臨床環境学研修(ORT)学外実習を岐阜県白川町・東白川村で行いました。

2018年度臨床環境学研修(ORT)学外実習実施報告書

(1)実習の目的

 地域の持続可能性にかかわる問題を学生が自主的に見つけ、現地の現状把握(診断)と解決方法提案(処方)を行うため、臨床環境学研修の対象フィールドである岐阜県加茂郡白川町および東白川村に実際に赴き、産業や自然環境の見学および行政や地域住民への聞き取り調査を行います。学生は、本実習の成果に基づいて今後の研究計画を立案することとなります。

(2)実施報告

日程:平成30531日(木)~62日(土)

場所:岐阜県加茂郡白川町および東白川村

参加者:博士課程学生4名、教員10(引率および通訳)、事務補佐員1(補佐)

現地協力者:白川町役場、東白川村役場ほか見学先担当者

実施内容:行政や地域団体からの聞き取りとワークショップ、活動現場・自然環境の見学

531日(木)

  • 名古屋大学をバスにて出発。飛騨川バス転落事故現場の慰霊碑「天心白菊の塔」に立ち寄りました。事故の概要、当時の気象状況、事故後の対策について説明を受けた後、現場の地形などを確認しました。
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  • 東白川村役場を訪問しました。安江誠総務課長より、東白川村の歴史、産業、教育、文化、地域振興など村の概要について、説明を受けました。

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  • 昼食後、東白川で50年お茶栽培に取り組んでいる安江美好さんの茶園を訪問しました。安江さんより、地域産業の1つである白川茶の特徴、茶園の歴史、茶栽培の現状、生育方法、これからの見通しなどについて話を伺いました。

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  • 東白川村製茶組合の製茶工場を訪問し、工場内を見学しました。安江透守副組合長より、製茶工場で行われる茶の生産過程を学びました。

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  • 地域産業の1つ、株式会社山共の製材工場を訪問し、木材の加工過程を見学しました。実際の現場を見ながら安江清副社長より木材の製材工程や木材産業を取り巻く状況について説明を受けました。

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  • 夕食のあと、宿泊施設「魚の宿」にて、東白川村に移住して来た東白川村の地域おこし協力隊隊員、移住者、村役場職員にインタビューし、その後グループに分かれて意見交換をおこないました。

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61日(金)

  • 東白川村役場にて、フォレスタイル事業について、地域振興課の担当職員から説明を受けました。木材流通をシステム化し、消費者にわかりやすい注文住宅の供給すること、さらに、東濃ひのき材の利用拡大を目指す取り組みを伺いました。

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  • 東白川村の村有林母樹林公園を訪れました。村有林担当の職員、栗本重秋氏より、林業振興の取組みや歴史、持続可能な森林経営の試みについて、現場を歩き実際に森林を見ながら説明を受けました。

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  • 白川町役場を訪問しました。佐藤滋副町長の挨拶の後、白川町の歴史、産業、教育、文化、地域振興の取り組みなど町の概要について、また、町役場庁舎の移転問題及び町の公共交通について総務課および企画課の担当職員から説明を受けました。

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  • 白川町の唯一のタクシー会社である白川タクシーを訪問し、土井寿敏社長より白川町の公共交通の現状、問題点などについて話を伺いました。

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  • 町役場の移転先の候補の1つである白川中学校を見学し、庁舎移転について説明を受けました。

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  • 現在は廃校となっている旧県立白川高校の校舎を訪問し、白川町の教育施設の状況、廃校後の施設利用についての説明を受けました。

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  • 白川町の公共交通である路線バスに白川町バス営業所前バス停から鷲原バス停まで実際に乗車してみました。

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  • 夕食の後、宿泊施設「美濃白川クオーレふれあいの里」にて、白川町への移住者、地域おこし協力隊員2名招いてインタビュー及びワークショップを行いました。

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62日(土)

  • 白川町佐見地区にあるGOEN農場を訪問し、代表の服部晃さんより有機農業や作物、獣害対策としてのバッファーゾーンなどについて話を伺いました。

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  • 今年421日にオープンした複合施設「よいいち美濃白川」を訪問し、伊佐治副支配人より高齢化が進む白川町において地域活性を目的に開設された施設の説明を受けました。

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  • 白川町黒川の藤井ファームを訪問しました。藤井拓男代表取締役より、藤井ファームの経営方針、抗生物質やワクチンを使用しない養豚「あんしん豚」について、説明を受けました。

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  • 白川町黒川の東座を訪問し、東座歌舞伎保存会の各務弘芳代表より、歌舞伎座の歴史や現状、地域の文化継承、舞台についての説明を受けました。

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  • 名古屋大学着、解散。

(3)得られた成果

  • 臨床環境学研修(ORT)の対象地域として、岐阜県加茂郡白川町および東白川村で3日間の実習を行いました。参加学生、特に留学生は、日本の中山間地を訪れるのが初めてであり、実際に現場を訪れ、現地の人々から話を伺うことは大変貴重な経験となりました。事前に調べたことを踏まえ、現地で実際に地形や森林、農地、茶畑などの自然環境を観察し、より深くその地域性や課題を理解することができました。

  • 1日目は東白川村、2日目は白川町でワークショップを行い、持続可能な地域づくりに取り組む地域おこし協力隊や移住者、役場関係者などにインタビューし、直接、意見交換を行いました。学生は地域住民と直接、話すことで、より地域の抱える課題や人々の価値観等を理解することができ、人々の熱意を感じることができました。また、外部から見た東白川村・白川町の持つ良さや問題点について、活発に議論できました。

  • 多分野の学生および教員とともにORTに参加することで、対象地域について多様なものの見方、情報を得ることができました。また、地域の抱える課題が様々な分野と複雑に関わり合っていることを改めて認識することができ、今後の研究テーマ設定について、より深く考える手がかりを得ることができました。また、教員も新たな情報や視点を得ることができました。

  • 3日間のORTを通じ、学生同士および学生と教員とのコミュニケーションの機会が増え、互いに交流を深めることができました。

    以上