臨床環境学プログラム
2017年06月14日
平成29年度臨床環境学研修(ORT)学外実習を岐阜県白川町・東白川村で行いました。
(1)実習の目的
地域の持続可能性にかかわる問題を学生が自主的に見つけ、現地の現状把握(診断)と解決方法提案(処方)を行うため、臨床環境学研修の対象フィールドである岐阜県白川町および東白川村に実際に赴き、産業や自然環境の見学および行政や地域住民への聞き取り調査を行いました。学生は、本実習の成果に基づいて今後の研究計画を立案することとなります。
(2)実施報告
日程:平成29年6月1日(木)〜3日(土)
場所:岐阜県加茂郡白川町・東白川村
参加者:博士課程学生5名、修士課程学生4名、教員8名(引率)、事務補佐員1名(補佐)、通訳1名
現地協力者:白川町役場、東白川村役場ほか見学先担当者
実施内容:行政や地域団体からの聞き取りとワークショップ、活動現場・自然環境の見学
6月1日(木)
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- 名古屋大学をバスにて出発し、まず、白川町の飛騨川バス転落事故現場の慰霊碑「天心白菊の塔」を訪問しました。事故の概要、当時の気象状況、事故後の対策について説明を受けた後、現場の地形などを確認しました。
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- 東白川村役場を訪問。今井俊郎村長からご挨拶いただいた後、安江良浩参事より、東白川村の歴史、産業、教育、文化、地域振興など村の概要説明を受けました。
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- 昼食後、村有林の母樹林公園を訪問しました。村有林担当の職員、栗本重秋氏から、村有林におけるゾーニングによる実験的林業の取り組みについて説明を受けました。
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- 東白川村森林組合を訪問し、高級材である東濃ひのきの新たな販売方法を見い出すためのNPOとの連携など、林業振興の取り組みについて、企画係長の大崎正秀氏より説明を受けました。
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- 東濃ひのき白川プレカット協同組合を訪問し、工場内を見学しました。プレカット工場設立の経緯やプレカット工程について、安江正隆工場長より説明を受けました。
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- 再び東白川村役場にて、フォレスタイル事業について、地域振興課の桂川憲生課長より説明を受けました。木材流通をシステム化し、消費者にわかりやすい注文住宅の供給を行う、ひいては、東濃ひのき材の利用拡大を目指す取り組みについて伺いました。
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- 夕食のあと、宿泊施設「美濃白川クオーレふれあいの里」にて、東白川村の地域おこし協力隊隊員6名、美しい村づくり委員5名および役場職員3名を交え、グループに分かれて意見交換を行いました。
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6月2日(金)
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- 白川町役場を訪問ました。佐藤滋副町長にご挨拶いただいた後、白川町の歴史、産業、教育、文化、地域振興の取り組みなど町の概要について、企画課および農林課の担当職員の方から説明を受けました。
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- 徒歩にて白川町の中心部と駅周辺を散策。加藤博和先生より、公共交通に関する説明を受けました。
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- 昼食は、黒川地区の農家レストラン「まんま」。地元の食材をふんだんに使い、地域の女性の方々が調理した料理を美味しくいただきました。
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- 午後は、黒川ふれあいセンターにてNPOゆうきハートネットの取り組みについて、NPOの伊藤和徳氏より説明を受けました。有機農業の実践、販売手法、地域活動への取り組みなど紹介いただきました。実際に、伊藤さんの畑も見せていただきました。
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- 白川町「木材団地」を訪問。白川町林業センター研修室にて、白川町森林組合の澤田卓朗参事、東濃ヒノキ市場組合の大岩均市場長、東濃ひのき製品流通協同組合の大島和之組合参事より、白川町の林業全般について説明を受けました。続けて、東濃ヒノキ市場、木材加工場、バイオマス発電施設を見学しました。
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- 入浴および夕食の後、宿泊施設「美濃白川クオーレふれあいの里」にて、白川町への移住者ご夫妻、地域おこし協力隊員3名より話を聞きました。白川町の生活や地域おこし協力隊の活動について説明を受けた後、意見交換を行いました。
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6月3日(土)
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- 白川町佐見地区公民館にて、佐見地区地域公共交通地域部会長の田口一成氏、自治協議会長の高木公氏、公民館長の嶋田定氏より、佐見地区の概要および公共交通の新たな試みについて説明を受けました。
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- 佐見地区で6月2日より始まったハイエースによる実証運行試験車両「さみいこカー」に実際に分乗して、過疎が著しい室山地区を訪ねました。
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- 昼食は、東白川村の農業婦人団体「美味作」が運営する白川茶屋で、郷土食の「朴葉寿し」をいただきました。
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- 午後は、東白川村の五加茶生産組合が運営する茶畑を見学。組合長の今井政信氏より説明を受けました。
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- 続いて、東白川製茶組合を訪問し、標高500mに位置する茶畑と、製茶工場を見学しました。工場では、白川茶が生産される工程の説明を詳しく聞きました。
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- 道の駅「茶の里東白川」と「つちのこ館」にて、東白川村の地域振興の取組みを見学しました。
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- バスにて白川町蘇原地区を通り、帰路につきました。バスの車中では、3日間を通じて印象に残ったことなどを振り返り、全員で共有しました。
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(3)得られた成果
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臨床環境学研修(ORT)の対象地域として、岐阜県加茂郡白川町および東白川村で3日間の実習を行いました。参加学生は、事前に調査対象地域についてテーマを絞って調べた後、現地を訪れ、実際に地形や森林、農地、茶畑などの自然環境を観察したことで、より深くその地域性を理解することができました。学生からは、現地に行かなければわからないことを感じ、得ることができたとの感想がありました。
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参加学生は、持続可能な地域づくりに取り組む地元住民、NPO、組合および行政などの活動や政策に関する説明を受け、直接、質問をしたり議論したりすることで、地域の抱える課題を理解し、取組みに携わる人々の熱意を感じることができました。特に、白川町や東白川村の方々と直接、意見交換したことは貴重な経験となり、考えを深めることができました。
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多分野の学生および教員とともにORTに参加し、地域の方々と接することによって、学生たちは多様なものの見方を理解することができ、今後の研究テーマ設定に関する手がかりを得ることができました。また、教員も新たな情報や視点を得ることができ有意義でした。
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3日間のORTを通じ、学生同士のコミュニケーションの機会が多くなっただけでなく、教員とも交流を深めることができました。
以上
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