ホーム統合環境学特別コース臨床環境学研修2022年度「臨床環境学研修(ORT)」第1回学外実習を愛知県東浦町で実施しました
「臨床環境学研修(ORT: On-site Research Training)」の第一回の学外実習が6月29日(水)に愛知県東浦町で実施され、博士後期課程学生5名(聴講生2名を含む)と教員2名が参加しました。ORTとは、地域の持続可能性に関わる課題を学生主体で発見し、現状把握と解決方法の提案を行う実習です。新型コロナウイルス感染症対策のため、今年度は日帰りの学外実習を複数回実施予定です。
東浦町は水田が多く、里山や森林の維持・管理もされている緑豊かな地域です。学生は事前調査をふまえ、企業、行政、町民との意見交換ならびに自然環境学習の森を見学しました。
午前は、東浦町に本社を置く知多カリモク株式会社を訪問し、適切な森林管理や国内外の製材の流通、端材の活用方法ならびにSDGsへの取り組み内容や地域との協働の可能性について意見交換を行いました。参加学生からは、「日本有数の家具メーカーが地域の森林が抱える課題にも目を向け柔軟に対応していることに感銘を受けた」との意見も聞かれました。
国産針葉樹を用い強度補強もされたイス
午後は、東浦町役場にて、企画政策課、環境課、公園緑地課の担当者より東浦町の土地利用、森林開発ならびに管理、再生可能エネルギーへの見解の説明を受け、意見交換を実施しました。また、町民でありボランティアとして森林管理を担う東浦自然環境学習の森保全・育成の会の木村会長との意見交換を通じて、町との協働の仕組みや、参加者の高齢化などの課題を聞き取りました。その後、自然環境教育の森を訪れ、議論で表出した課題を実際に確認しながら現地を見て回りました。
東浦自然環境学習の森にて町職員の説明を聞く学生
「実際の土地利用の様子や環境保全における行政と町民の共同関係について理解が深まった」「企業、行政、町民という異なる立場の方々から直接話を聞き、それぞれの立場が求めるもの、地域課題が見えてきた」などの意見が参加学生からも聞かれ、多面的で多様な視点から地域の課題を発見する契機となりました。
今回得た知見や課題を受け、学生で仮説を検証し直した上で再度東浦町を訪問し、研究テーマを設定する予定です。