ホーム統合環境学特別コース2022年度伊勢湾流域圏ORT報告会を東浦町で開催しました
「臨床環境学研修(ORT: On-site Research Training)」の報告会が、2023年3月22日(水)に愛知県東浦町の勤労福祉会館で開催されました。ORTとは、地域の持続可能性に関わる課題を学生主体で発見し、現状把握と解決方法の提案を行う実習です。2022年度は博士後期課程1年の学生3名が参加し、東浦自然環境学習の森とその保全活動に焦点を当て実施されました。
報告会では、東浦町長・神谷明彦氏と環境学研究科長・山岡耕春教授の開催挨拶に続き、学生の勝浦柊さん、紀平真理子さんおよび佐藤則子さんが「明るい竹林のため持続可能な維管理方法 〜東浦自然環境学習の森を事例として」と題して報告を行いました。東浦自然環境学習の森は東浦町に残る貴重な里山ですが、竹林が増加し、行政と市民が協働で行う保全活動の障害となっています。学生からは、今後も持続的な保全活動が行えるよう4パターンの竹林管理方法が提案されました。
続いて当センターの加藤博和教授が進行を務め、東浦町役場関係者と東浦自然環境学習の森関係者および大学関係者と意見交換しました。東浦町役場職員の方から「いい提案だと思った。今後の管理の参考にしたい」とコメントが出されたほか、実際に保全活動を行う市民の方々から「竹はタケノコのときに足で倒してしまうと一番効率が良い」「竹林も景観として残したい」「竹の有効活用も考えたい」等の意見が出されました。また「活動メンバーの高齢化が問題」との発言に対し、「新しい人が参加するきっかけづくりが必要」「それを行うための事務局機能もいるのではないか」といった意見が出されるなど、会場に集まった参加者の間で活発な議論が行われました。
最後は、当センター長・西澤泰彦教授が全体の感想と閉会挨拶を述べ、終了となりました。今年度参加した学生にとって竹林管理は専門外となる研究対象でしたが、フィールドワークや資料の検討を通して新たな知見が得られる貴重な機会となりました。
この模様が「広報ひがしうら令和5年5月号」に掲載されました。