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センターからのお知らせ

2019年06月05日南伊勢町と名古屋大学大学院環境学研究科が連携・協力に関する協定書締結

2019年6月4日(火)、名古屋大学において、南伊勢町(三重県)と当環境学研究科との連携協定締結式を開催しました。式では、南伊勢町長の小山巧氏と環境学研究科長の西澤泰彦教授が、2通の協定書に署名しました。

小山町長はあいさつで、南伊勢町の課題は少子化と南海トラフ地震だと話しました。南伊勢町は三重県内の自治体で高齢化率が最も高く50%を越えています。南伊勢町はリアス式海岸が東西に長く続き、海岸沿いの少ない平地の上に集落が散在し、背後は急峻な山となって、他地域との行き来の障害になっています。町内に鉄道はなく、公共交通はバスに頼っています。こうした状況で、高齢者がいかに生活していくのかという大きな課題に直面しています。また、南海トラフによる大地震が発生すれば、10分ほどで10m近い津波が押し寄せ、多くの集落は壊滅状態になることが予測されています。

その一方で、リアス式海岸がつくり出す自然景観は素晴らしく、町域の多くが伊勢志摩国立公園に指定されています。一次産業の割合が高く、中でも漁業が盛んで魚介類がおいしい地域です。以上のような状況を踏まえたうえで、小山町長は、この協定をきっかけに、元気なまちづくりをしたい、また町職員の人材育成にも役立てたいと抱負を述べました。

西澤研究科長は、環境学研究科がこれまでに10の市町村と連携協定を結んでおり、南伊勢町が11番目であること、人口減少・高齢化に悩む地域にこそ最先端の課題があると考えているため、そのような地域の自治体との協定は非常に重要であると話しました。そして、学術的な成果を社会に還元するのが大学の使命であり、名古屋大学が解決策を提案し、地方が持つ問題を1つ1つ解決していきたいと答えました。

この協定に至ったきっかけは、持続的共発展教育研究センターの加藤博和教授が、南伊勢町より地域公共交通政策の協力の依頼を受けたことです。加藤教授が中心となり、今年度中に地域公共交通網形成計画策定を目指し、今後本格的な調査に入る予定です。

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