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センターからのお知らせ

2021年10月01日【2021.10.26ウェビナー開催】RISTEX方法論ワークショップ:~プロジェクト実践を通した「総合知」の共進化に向けて~

RISTEX方法論ワークショップ:~プロジェクト実践を通した「総合知」の共進化に向けて~

【主催】東海国立大学機構 名古屋大学大学院 環境学研究科 持続的共発展教育研究センター

【共催】東海国立大学機構 岐阜大学 応用生物科学部

    慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート

    自然科学研究機構(予定)

【日時】10月26日(火曜日) 9:15-12:15

【オンライン形式で開催】ウェビナーの発表、発表者の議論はウェブ会議システムZoom、発表・質疑応答の視聴はYouTube Liveで行います。

【ご参加申込方法】無料 ただし、こちらのURL( https://forms.gle/KqRoKnESR1rA6ain6 )にてご参加のお申込みを、10月24日(日)までにお願いいたします。10月25日(月)にYouTube LiveのURLを送信いたします。

【イベント概要】

本イベントはJST・RISTEX 科学技術イノベーション政策のための科学研究開発プログラムの複数のプロジェクトの経験を踏まえ、プロジェクト間のクロストークという手法により、①方法論の深化、②研究力の厚みへの寄与、③研究と政策形成・実践の共進化、地域実践及び政策(行政)・科学・地域住民の各視点から、総合知の構築に向けた議論をする。

総合知は、先の「総合知による社会変革」と「『知・人への投資』の好循環」など、総合知も位置づけられている。では、具体的なプロジェクトで総合知とされる人文・社会科学系のアプローチをとるとどうなるのか。

上記の点について、以下の三プロジェクトの経験を踏まえ、科学技術領域に関わる知見、住民との対話などを踏えて提言する。

「農林業生産と環境保全を両立する政策の推進に向けた合意形成手法の開発と実践」(代表 香坂 玲 名古屋大学 教授)

「生態系サービスの見える化による住民参加型制度の実現可能性評価と政策形成過程への貢献」(代表 乃田 啓吾 岐阜大学 准教授)

「研究力の「厚み」分析による社会インパクトの予測と政策評価手法の開発」(代表 小泉 周 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 特任教授)

 

【式次第】(暫定)

全体説明 香坂 玲 名古屋大学大学院 環境学研究科 教授

(1)方法論クロストーク 合意形成と資源管理 

「住民の創造性と専門家の知識の融合を目指すフューチャー・デザイン」

中川 善典  高知工科大学 経済・マネジメント学群 教授

「システムデザイン手法を用いた政策の構造化・可視化」

鳥谷 真佐子 慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート(三田) 特任教授

水と社会の学際研究の現在

中村 晋一郎 名古屋大学大学院 工学研究科 准教授 

(2)研究力の厚みクロストーク

「学際分野における研究力とはなにか。総合知の測定・評価に向けて」

山本 一清 名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授

香坂 玲 名古屋大学大学院 環境学研究科 教授

「研究力の多角的な測り方:評価出来ることと出来ないこと」

小泉 周 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 新分野創成センター 特任教授

(3)研究と実践/政策への架橋クロストーク

「政策分野で求められる科学とは?農業政策から」

大口 篤志 政策研究大学院大学 准教授  農業政策コースディレクター

「研究力の向上は、どのように社会インパクトにつながるか?」

小泉 周 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 新分野創成センター 特任教授

鳥谷 真佐子 慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート(三田) 特任教授

調 麻佐志 東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 教授

地域資源の『見える化』をいかにすすめるか-webアプリケーションによるコミュニケーションツールの開発

白川 博章 名古屋大学大学院 環境学研究科 准教授 

質疑応答・総合討論

[コメント]

参加者

小泉 周 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 新分野創成センター 特任教授

鳥谷 真佐子 慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート(三田) 特任教授

調 麻佐志 東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 教授

【背景・総合知】 

 内閣府からは『第5期科学技術基本計画』以降、社会のプロセスを進化的に通信機器やソフトウェアの型のバージョンになぞらえ、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)、Society 5.0(ソサエティ5.0)といった概念が提唱されている。ただし、目を凝らすと、移行はそう単純ではないことも分かる。2020年には、25年ぶりに科学技術基本法の本格的な改正が行われ、象徴的な動きとして、法律の名称を「科学技術・イノベーション基本法」と変更している。計画の名称も「第6期科学技術・イノベーション基本計画」となっている。

法や計画の名称とも関係しながら、二つの大きな変更点がある。まず、第一点としては人文・社会科学が「科学技術」の範囲に法的にも戦略の柱としても位置づけられた。科学技術・イノベーション政策が、科学技術の振興のみならず、 社会的価値を生み出す人文・社会科学の「知」と自然科学の「知」の融合による「総合知」により、人間や社 会の総合的理解と課題解決に資する政策となったことを意味するものへと変わったとしている(内閣府2021)。

第二点目にイノベーションという用語の意味合いの変化が挙げられ、過去25年の間に「イノベーション創出」の含意が変わってきたという点も言及されている。つまり、「企業活動における商品開発や生産活動に直結した行為と捉えられがちだったイノベーションという概念は、今や、経済や社会の大きな変化を創出する幅広い主体による活動と捉えられ、新たな価値の創造と社会そのものの変革を見据えた(中略)概念へと進化しつつある」(内閣府2021)とある。

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内閣府(2015)第5期科学技術基本計画

https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/5honbun.pdf

内閣府(2021) 第6期科学技術・イノベーション基本計画

https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/6honbun.pdf

西條 辰義 (2015) フューチャー・デザイン: 七世代先を見据えた社会 勁草書房

(関連WS)

10月1日にJST-CRDS環境・エネルギーユニットと香坂Pの話題提供者とする以下のWSに参加し、文理融合、総合知を議論した。

俯瞰ワークショップ「文理融合研究のあり方とその推進方策~持続可能な資源管理に関する研究開発領域を例として~」


お問い合わせ

名古屋大学大学院 環境学研究科附属 持続的共発展教育研究センター

三宅 良尚 miyake.yoshitaka@k.mbox.nagoya-u.ac.jp