センター概要
名古屋大学 大学院環境学研究科附属 持続的共発展教育研究センター
センター長メッセージ
持続的共発展教育研究センターは、名古屋大学グローバルCOEプログラム「地球学から基礎・臨床環境学への展開」(2009~2013年度)で構築した臨床環境学を実践するため、名古屋大学大学院環境学研究科の3つの専攻(地球環境科学専攻、都市環境学専攻、社会環境学専攻)を横断する組織として2014年4月に設立されました。その活動は、大学院生向けの統合環境学特別コース、6研究科連携ESDプログラム、自治体や企業等を対象としたコンサルティングファーム、世界首長誓約/日本事務局など、大学としてのSDGsへの取り組みとして幅広いものになっています。
特に大学と地域社会との連携の窓口として、持続可能な地域づくりを行政、企業、住民の皆さんとともに研究・実践しています。センターができてから10年間の取り組みの中で見えてきたのは、人口が減少する中でいかにコミュニティの活力を維持し、人々がより幸せになるにはどうしたらよいかという課題が地域社会の中心テーマとなっていることです。これから中国をはじめ世界各国が人口減少社会に突入することになり、日本は世界の最先端に位置しています。日本の経験が広く世界の模範となれるよう、日々地域の皆さんとともに奮闘しています。
皆様のご支援を引き続きよろしくお願いいたします。
持続的共発展教育研究センター長
高野 雅夫
センター概要
人類社会の持続可能性を脅かす諸問題の解決のためには、既存の学問分野を越えた連携研究、そして社会のさまざまなステークホルダーと連携した「トランスディシプリナリー研究」を推進することが必要です。また、持続可能な社会づくりに関わる実践活動を担うリーダー人材を育成し、広く社会の各方面に輩出していかなければなりません。本センターは環境学研究科を中心として本学全体でこのような教育・研究を推進することを目的としています。
本センターは、環境学研究科附属交通・都市国際研究センターを発展的に改組したものです。センターには、地域社会と大学の協働のもとに教育・社会貢献を行う「臨床環境学コンサルティングファーム部門」と、国際的アウトリーチを推進する研究部門である「交通・都市国際研究部門」があります。また、本センターは、5研究科ESDプログラムの全学的活動に貢献するとともに、地球環境変化に関する国際的な研究プログラムであるFuture Earthに参加する地球生命圏研究機構と密接に連携します。
臨床環境学コンサルティングファーム部門は、持続可能な発展のために社会と大学とをつなぐ協働の場を提供します。臨床環境学は、持続可能な地域づくりのための診断から治療までを、分野横断で、地域ステークホルダーと研究者とが協働で行うことを理念としています。この理念の実現に向けて、受託研究、自主研究会、学生研究、助言・講演、研修、その他のプロジェクトの提案営業やワンストップ相談受付を行います。地域社会が、持続可能な地域づくりに関する大学との連携プロジェクトの相談と参画の場を得ることを目指します。また、教員が、地域ステークホルダーと協働して臨床環境学を実践する研究や教育の機会を持つようにしていきます。同時に、サステナブルビジネス、新しい公、途上国・新興国での地域づくりに貢献できる環境人材を育成する場になります。プロジェクトの一部を博士研究員や学生インターンが担うことで、キャリアパス構築支援となることを目指します。
さらに、臨床環境学コンサルティングファーム部門は、平成25年度まで実施されたグローバルCOEプログラム「地球学から基礎・臨床環境学への展開」で立ち上げられた博士後期課程の統合環境学特別コースの事務局となります。統合環境学特別コースでは、様々な分野の学生と教員・研究員が協働してフィールドを調査し、持続可能な発展に関する課題を見つけ、その対応策を具体的に検討し地域に提案する実践トレーニングである臨床環境学研修(On-site Research Training (ORT))などを実施します。また、5研究科連携ESDプログラムを運営しさらに全学に拡大するためのESD運営委員会の事務局機能を果たします。これにより、国際的リーダーとなることが期待される大学院生が、リベラルアーツとしての持続可能な発展に関する知識と価値観を理解する機会を与えます。同時に、国際環境人材育成センターと連携し、すべての教育を英語で行っている博士前期課程の国際環境人材育成プログラム(NUGELP)を支援します。
交通・都市国際研究部門は、都市や交通システムが直面する環境などの諸問題を克服するため、周辺の地域やグローバル社会との関係まで含めた持続的共発展の姿を明らかにし、国際連携とそれに必要な国際比較研究を推進していきます。地球生命圏研究機構とともに、持続的共発展に関わる研究の国際的なアウトリーチを強化します。また、臨床環境学コンサルティングファーム部門と連携して、最先端の研究成果が教育に還元されるようにします。同時に、臨床環境学コンサルティングファーム部門における途上国・新興国での地域づくりを研究対象としてつないでいく役割を担います。
問い合わせ
お問い合わせは下記連絡先までご連絡ください。
名古屋大学大学院環境学研究科 附属持続的共発展教育研究センター 事務局
〒464-8601 名古屋市千種区不老町
Tel : 052-747-6547 E-mail: cesfirm(at)ercscd.env.nagoya-u.ac.jp