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統合環境学特別コース

2015年06月15日 平成27年度臨床環境学研修学外実習

(1)実習の目的

 地域の持続可能性にかかわる問題を学生が自主的に見つけ、現地の現状把握(診断)と解決方法提案(処方)を行うことが臨床環境学研修の目的です。最初の診断を現地で行うため、今年度臨床環境学研修の対象フィールドである岐阜県恵那市(木曽川、庄内川、矢作川流域)に学生が実際に赴き、流域の産業や自然環境の見学及び行政や地域住民への聞き取り調査を行いました。学生は、本実習の成果に基づいて今後の研究計画を立案し、追加調査・分析及び処方案の検討を行い、研究成果を現地で報告するとともに、報告書に取りまとめることになります。

(2)実習の概要

日程:平成27年6月11日(木)~13日(土)

場所:岐阜県恵那市

参加者:(参加)大学院博士課程履修生9名(「持続可能な地域づくり実践セミナー」履修修士課程学生も別途参加)、

    (引率)教員7名

現地協力者:恵那市役所、NPO法人夕立山森林塾ほか見学先担当者

実施内容:行政や地域団体からの聞き取りとワークショップ、活動現場・自然環境の見学

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Ÿ 恵那市役所にて、人口減少・移住定住、財政再建、地域計画、環境・廃棄物管理・エネルギー、観光、農林業、市民三学運動、交通の各政策分野について説明を受けるとともに、質疑応答を行いました。

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Ÿ 大井町地域にある中山道大井宿周辺及び阿木川周辺を散策するとともに行在所を見学しました。

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Ÿ 東野地域にある洪水調整等を目的とする阿木川ダムをバス車内より見学しました(写真なし)。

Ÿ 岩村地域の観光資源である岩村城下町(伝統的建造物群保全地区)を散策しつつ、(株)えーないわむらより岩村地域における空き家活用などのソーシャルビジネスの説明を受けながら現地見学を行いました。

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Ÿ 明智地域の観光資源である日本大正村を見学しました。

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Ÿ 串原地域における森林保全、災害防止、移住定住促進に関するNPO 法人奥矢作森林塾の取り組みについて同法人より説明を受け、質疑応答を行いました(宿泊先の奥矢作レクリエーションセンターにて)

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Ÿ 串原地域での地域づくり現場の一つである郷の駅を見学し、活動に取り組む奥矢作森林塾より説明を受けました。

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Ÿ 上矢作地域の観光資源である、道の駅ラ・フォーレ福寿の里、及びモンゴル村を見学し、また恵那市役所上矢作振興事務所等より説明を受け、質疑応答を行いました。

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山岡地域にある観光資源であり環境保全活動/地域自律化活動の現場である花白温泉を見学し、(株)花白の湯、NPO法人夕立山森林塾より説明を受け、質疑応答を行いました。

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Ÿ 山岡地域の観光資源である山岡駅かんてんかんを見学しました。

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Ÿ 恵那市(及び一部隣接する中津川市)の生活及び観光用の鉄道である明知鉄道全線(明智駅から恵那駅まで)に乗車しました。明知鉄道(株)より車内で説明を受けました。

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Ÿ 恵那市民による廃棄物削減・リサイクル推進施設であるふれあいエコプラザを見学し、活動の解説を受けるとともに質疑応答を行いました。

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Ÿ 学生どうしでふりかえりのためのワークショップを行いました(宿泊先の飯地高原自然テント村にて)

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Ÿ 飯地地域における地域文化資源である五毛座および民俗資料館を見学し、歌舞伎保存会より説明を受け、質疑応答を行いました。

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Ÿ 中野方地域での人工林保全・利用および地域自律化活動である笠周木の駅プロジェクトについて、搬出した木材の集積場等を見学し、同プロジェクト実行委員会より説明を受け、質疑応答を行いました。またバス内より人工林の保全状況を見学し、NPO法人夕立山森林塾より説明を受け、質疑応答を行いました。

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Ÿ 中野方地域での地域文化資源・観光資源・地域環境文化保全活動現場である坂折棚田を見学し、NPO法人恵那市坂折棚田保存会より説明を受け、質疑応答を行いました。

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Ÿ 中野方地域での人工林保全・利用のための間伐現場を見学し、活動を担っている地域住民からの説明を受けました。

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Ÿ 大井町地域の観光資源である恵那峡および大井ダムをバス車内より見学しました。

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Ÿ 大井町地域の観光資源である恵那銀の森を訪問し、買い物をしました。

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Ÿ 恵那市より名古屋大学に向かう帰路、バス車内にてふりかえりの分かち合いを行いました(写真なし)。

(3)得られた成果

Ÿ 参加学生は、恵那市内の13地域のうち9地域を訪問、見学することで、3つの異なる水系に存在する異なる風土について体感するともに、持続可能な地域づくりに取り組む地元住民、企業及び行政の方々の活動や政策について詳細な情報を獲得し、また人々の想いに触れることができました。

Ÿ 参加学生は、多数の活動・自然環境の現場に触れ、実際に市内を移動し、説明を聞き、そして質疑応答をすることで、恵那市における持続可能な発展の現状と課題をより具体的で幅広い観点から知ることができました。

Ÿ 参加学生は、他の参加学生とのワークショップを経て、多様なものの見方を知ることができるとともに、今後の研究テーマ設定に関する手がかりを得ました。