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センターからのお知らせ

2021年08月27日 学校と地域公共施設の改築・マネジメント

社会の変化に合わせた校舎はどうあるべきか

 少子化が全国的に進む中で、公共施設として重要な役割を地域で果たしてきた小中学校のあり方が問題となっています。現在の社会情勢に合わせた規模、地域の拠点としての今後の役割について学校と地域が膝を詰めて話し合うことが必要となっています。 

校舎・公共施設の再編・整備に向けた住民参加

 松阪市鎌田中学校は文部科学省のコミュニティ・スクールに指定され、保護者、地域の意見を活かした学校運営が行われてきました。2010年頃に老朽化した校舎の改築事業が始まり、コミュニティ・スクールにふさわしい学校にしたいという希望が学校、地域で共有されるようになりました。2015年度から、小松教授が建築計画及び運営のアドバイザーとして参画、学校、地域、生徒が参加するワークショップを実施、基本構想を策定しました。

 同じ時期に、松阪市は公共施設の再編計画を検討しており、小松教授も委員として参画し、将来予測、公共施設の複合化について市民参加型の公開検討会の開催などを通じて共有、議論を行いました。結果、基本設計終了後に鎌田中学校の改築事業が、第四公民館との融合的改築事業へと変更になりました。住民からは驚きや不安の声もありましたが、地域の拠点をつくっていく方針に変更は無い変わりないこともあり、どう実現し、運営していくかの議論に向かいました。

 完成した校舎は3層構造で、1、2階に特別教室、3階に普通教室が配置されました。公民館との共用の程度が高い教室を1階に配置し、また公民館等の事務室も同じ階にすることで、1階が地域の住民活動、中学校との交流の場となるように意図されています。 

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持続的な住民と学校の交流を目指して

 鎌田中学校と第四公民館の融合施設は2020年4月より使用が開始され、二つの機能を一つの建物で果たせるかという課題も、コーディネーター役の市職員が常駐し、スムーズな運営が行われています。

 小松教授は、中学校の再建の基本構想から現在の運営に至るまでの市や住民の議論を支援、助言をしてきました。住民団体の活動、滞在はコロナ禍で自粛が続いていますが、状況が好転するにしたがって、住民の活動、住民と中学生の交流が中学校で一層増していくと期待されます。

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「中学校と公民館が融合する地域拠点」:動画 約5分