名古屋大学グローバルCOEプログラム 地球学から基礎・臨床環境学への展開

BCES

セミナー

東シベリア森林地帯における陸面過程研究?タワーフラックス観測を中心に

スケジュール

2013年11月29日(金)16:30~18:00
環境総合館2階 第2会議室

講演者

小谷亜由美 (本学・生命農学研究科 助教)

問い合わせ

佐藤永(COE特任准教授)

詳細

連続永久凍土地帯に位置する東シベリアレナ川中流域のヤクーツク周辺の森林地域を中心に,過去15年におよびタワーフラックス観測が続けられており,とくにカラマツを主体とした森林における水・熱・炭素交換の特性が明らかにされてきた.凍土の凍結・融解と植物活動の相互作用により,本調査地では降水量に比べて蒸発散の変動が安定しているという特徴があるが,近年は,本調査地に土壌水分の増加(の継続)に伴うカラマツの衰弱がみられており,この相互作用にも影響が及ぶことが考えられる.そこで,水環境の変化が現実化したヤクーツクでのカラマツ林の環境応答を,長期観測データから解析するとともに,環境変化が起きていない森林との比較をすることが,カラマツ林の環境変化への応答能力を明らかにする上で有用と考えられる.
本セミナーでは,土壌水分や群落構成の異なるカラマツ林の水・炭素循環の季節変化を比較した以下のような結果を発表する.ヤクーツクのカラマツ林と比べてバイオマスと土壌水分量の多いカラマツ林では,CO2吸収量が多かったが蒸発散量には顕著な違いが現れなかった.CO2吸収量の光応答など環境因子との関係にも違いが見られたが,蒸発散の応答の違いは小さかった.本地域のカラマツ林の水・炭素循環を維持する植物と地中環境のはたらきを考えていきたい.

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