名古屋大学グローバルCOEプログラム 地球学から基礎・臨床環境学への展開

BCES

セミナー

生態系サービスと持続可能性

スケジュール

2013年4月5日(金)16:30~18:00
環境総合館2階 第2会議室

講演者

夏原由博 (環境学研究科・都市環境

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佐藤永(COE特任准教授)

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2000年から5年間をかけて国連ミレニアム生態系評価が取り組まれた。基本的な概念は、人類の存続と幸福は生態系からのさまざまな恩恵(生態系サービス)に依存していること、異なる生態系サービス間にはトレードオフの関係があること、人類が特定のサービスへの依存を強めることによって、生態系の機能が衰えつつあることという現状認識にある。それらを、DPSIR(要因、圧力、状態、影響、対応)というツールによる分析にもとづいて、シナリオによる評価を行った。わが国では、2007年から2010年まで国連大学高等研究所を事務局とする里山里海評価を実施した。その成果は、環境省が推進するSATOYAMAイニシアティブやその国際的な展開である生物多様性条約COP10における「社会生態学的生産ランドスケープ」決議へと実を結んだ。これらを踏まえて、持続可能性に注目して、農林業と生態系の間の調和と対立について考えたい。
個別事例として、アラル海問題、ナミビアにおける低木林拡大、我が国の里山・水田の生物多様性について取り上げて、生態系サービスの持続的な利用が存在する条件を探りたい。
アラル海は中央アジアのカザフスタンとウズベキスタンにまたがる湖で,かつては面積68000km2を有し,世界で4番目の大きさであった。ところが,1950年代から両河川の水を使う大潅漑開発が始まり,流入する水量が年々低下したためにアラル海が消失するという事態を見た。我々は、アラル海沿岸生態系の再生のシナリオづくりを目的として,リモートセンシングによる植生推定をおこなった。
ナミビアは定住化政策による定住地での放牧による植生変化が著しい。現地調査の結果は、MODIS画像による評価を裏付けた。しかし、聞き取りによって、現在の植生変化は、放牧に大きな被害は及ぼしていないことが明らかになった。
里山里海評価において、人による自然の効果的な利用・管理が生態系サービスのみならず生態系自体の持続性に有効であったという評価がなされた。このことは、生物多様性国家戦略とも整合性を持つ。しかし、利用減少による影響と過剰利用(開発)による影響との統一的な評価を含め、人と自然との持続的な関係について答えは得られていない。

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