名古屋大学グローバルCOEプログラム 地球学から基礎・臨床環境学への展開

BCES

セミナー

平成25年度 基礎環境学講究 1-A・2-A
「現在の食料生産・消費システムと、その恩恵・問題・持続性」

スケジュール

第1回
2013年6月18日(火)10:00~12:00
環境総合館101 セミナー室A
未定
第2回
2013年7月4日(木)10:00~12:00
環境総合館3階 講義室3
未定
第3回
2013年7月11日(木)10:00~12:00
環境総合館3階 講義室3
未定
第4回
2013年9月19日(木)10:00‐12:00
環境総合館3階 演習室1
未定
第5回
2013年9月26日(木)10:00‐12:00
環境総合館3階 演習室1
未定
第6回
2013年10月3日(木)10:00‐12:00
環境総合館3階 演習室1
未定
第7回
2013年10月17日(木)10:00‐12:00
環境総合館3階 演習室1
未定
第8回
2013年10月31日(木)10:00-12:00
環境総合館3階 演習室1
未定
第9回
2013年11月7日(木)10:00-12:00
環境総合館3階 演習室1
未定

詳細

担当教員 

佐藤永 COE特任准教授 (専攻:植物生態学・数値シミュレーション・生物地球化学)

招聘講師

生源寺眞一 名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授 (専攻:農業経済学)
川島博之 東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授 (専攻:環境経済学・システム農学)

目的

本講究では上記のテーマの元で、関連する講義と文献紹介を行い、それをベースとした議論を行う。ORTが比較的ローカルな課題を扱うのに対して、本講究では、より大きな地理スケールと長い時間軸を扱うことで、より一般的かつ長期的な視点を持つことを目的とする。また、ディスカッション、文献レビュー、レポート執筆といった、学生が主体となって行う課程を通じて、伝える力を高めることも目的とする。

日程案

以下はあくまでも案です。最終的には参加する学生や招聘講師と相談して決定します。

2013年 時間 内容
5月末 2時間×1 日程や時間決め、講究の目的について説明(講義1)
6~7月 2時間×4 ・講義2・3・4 (川島先生)と議論
・学生による文献紹介と議論
9~10月 2時間×4 ・講義5 (生源寺先生)と議論
・学生による文献紹介と議論
11~12月 2時間×2回程度 学生によるレポート案の発表、質疑応答、修正や編集に関する議論。グループレポートの作成。
翌年3月 - リトリート合宿における成果発表会

内容 

世界人口は20世紀の後半以降に急増した。その主要因は、公衆衛生の改善に加えて、化学肥料・改良品種・農業機械を組み合わせた資本集約的な農業が世界各所に広まり(いわゆる「緑の革命」)、それにより膨大な食糧の生産が可能になったこと、そして余剰となった食糧が、グローバル市場に流通する商品となったことにある。そのような近代農法と食糧の流通システム、すなわち現在の食料システムには膨大なエネルギーが必要とされるが、それは化石燃料に強く依存しており、これがその持続性における致命的な弱点となっている。また近代農法は、土壌の流出や塩類集積、生物多様性の減少のような環境問題を生じさせる場合があるが、これらの問題には経済原理による解決のインセンティブが働きにくく、これも持続性を困難にさせる要因と指摘されている。さらに顕在化しつつある気候がもたらす影響についても、懸念されている。そこで本講究では、「現在の食料生産・消費システムと、その長所・短所・持続可能性」というテーマを設定し、担当教員による講義、招聘講師による話題提供、また受講生自身による文献レビューを通して、この問題についてのディスカッションを重ねる。
ところで、この種の議論においては、このような近代食料システムがもたらしている弊害や懸案にのみ着目してしまいがちである。しかし、現在の食料システムは、紛争地域や一部の最貧国などの例外を除き、世界から飢えの問題を一掃し、それにより人々の健康状態と平均寿命を劇的に改善した。また20世紀後半以降の技術や文化の急速な発達も、食料生産から解放された膨大な世界人口抜きには達成することは難しかっただろう。すなわち現代の食料システムは、巨視的には、人類にかってない健康と繁栄をもたらしたとも言えるのである。このような食料システムが普及する以前の多くの世界の状況とは、人口の大半が食料生産に携わり、そうであっても天候の悪い日が続いただけで栄養不良や饑餓が発生してしまうという不安定なものであった。本講究では、このような現代の食料システムがもたらした多大な恩恵についても注意を払う。
もう一つ、食の問題を扱う上で忘れてはならないのは、その副次的な側面である。食料の生産と消費には、食卓の上の文化から、地域コミュニティの形成、農地の環境保全まで、様々な副次的な機能があり、現代の食料システムの普及は、それらの一部を変容、または衰退させてきた。
以上のように、食の問題を扱うためには、必然的に多面的・学際的なアプローチが必要となる。本講究の担当教員は、興味の対象も専門分野も幅広い受講生が本講究に参加し、様々な視点から、このテーマを巡る議論に加わる事を希望している。

講義の形式

それぞれの講義においては、ノート係の学生を決め、講義の内容とその後のディスカッションをレポートとしてまとめる。また、本講究では教員による講義に引き続いて、学生による文献紹介プレゼンテーションを行うが、その際に話題提供を行った学生は、発表内容とその後の議論をレポートにまとめる。これらのレポートは、講究参加者全員の議論を経て、必要であれば加筆・訂正を行った上で、年度末に取りまとめる講究レポートの一部とする。

日本語のできない留学生への対応策

日本語で実施する予定ですが、必要に応じて英語を交えます。
発表資料は、なるべく英語で作成します。

参考文献

『The Locavore's Dilemma: In Praise of the 10,000-mile Diet』、Desrochers, P. Shimizu, H.
『温暖化の世界地図 第2版』、Dow, K., Downing, T.E.(著), 近藤洋輝 (翻訳)
『食料の世界地図 第2版』、Millstone, E.・Lang, Y. (著), 大賀圭治・中山里美・高田直也 (翻訳)
『“緑の革命”を起した不屈の農学者 ノーマン・ボーローグ』、レオン ヘッサー (著), 岩永勝 (翻訳)
『地球温暖化はどれくらい「怖い」か? 温暖化リスクの全体像を探る』、江守正多・気候シナリオ「実感」プロジェクト影響未来像班
『「食糧危機」をあおってはいけない』、川島博之
『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの』、ジャレド・ダイアモンド
『日本農業の真実』、生源寺眞一
『土の文明史』、デイビッド・モントゴメリー
『生態適応科学』、東北大学生態適応グローバルCOE編(特に第3章「持続可能な農業に向けた適応型技術の可能性」富松裕)
ナショナルジオグラフィック2009年6月号 特集『食料危機は克服できるか』
ナショナルジオグラフィック2008年9月号 特集『地球の悲鳴 食を支える土壌を救え』
ナショナルジオグラフィック2011年7月号 シリーズ70億人の地球『食の未来を守る』

その他

本講究では時間と〆切の厳守を徹底します。これらは基本的なビジネスマナーであると、担当教員は認識しています。
 

問合せ先

佐藤 永(COE特任准教授)

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