名古屋大学グローバルCOEプログラム 地球学から基礎・臨床環境学への展開

BCES

セミナー

平成24年度 基礎環境学講究 1-A・2-A
「グローバル化した世界における持続可能性を考える」

スケジュール

第1回
2012年6月15日(金)10:00~12:00
環境総合館1階 演習室1
未定
第2回
2012年6月29日(金)10:00-12:00
環境総合館1階演習室1
グロバール経済の発展と食料生産の変化
佐藤 永(環境学研究科・COE特任准教授)
第3回
2012年7月4日(水)10:00-12:00
環境総合館1階演習室1
日本の放置人工林における土壌流出リスク
竹中 千里(生命農学研究科生物圏資源学専攻・教授)
第4回
2012年7月11日(水)10:00-12:00
環境総合館1階演習室1
中国における経済発展と窒素汚染
劉 晨(環境学研究科・COE特任准教授)
第5回
2012年7月25日(水)10:00-12:00
環境総合館1階演習室1
日本の農村地域の状況について
高橋 誠(環境学研究科社会環境学専攻・教授)
第6回
2012年10月1日(月)10:00-12:00
環境総合館1階 演習室1
未定
第7回
2012年10月29日(月)10:00-12:00
環境総合館1階 演習室1
未定
第8回
2012年11月12日(月)10:00-12:00
環境総合館1階 演習室1
未定
第9回
2012年11月26日(月)10:00-12:00
環境総合館1階 演習室1
未定
第10回
2012年12月10日(月)10:00-12:00
環境総合館1階 演習室1
未定

詳細

主担当教員

佐藤永 (COE特任准教授) 植物生態学、数値シミュレーション、気候-陸面相互作用

副担当教員

山下博美(COE特任准教授) 環境リスク・コミュニケーション、沿岸開発意思決定における情報の課題
中塚武 (地球環境科学専攻・教授) 生物地球化学、古気候学、物質循環と人間活動の相互関係
安成哲三 (地球水循環研究センター・教授) 気象学、気候学、気候システム学

招聘予定の講師

高橋誠(情報文化学部 社会システム情報学科・教授)
竹中千里(農学研究科生物圏資源学専攻・教授)
劉晨(COE特任准教授)

目的

本講究では「グローバル化した社会経済の元で、持続可能な社会の構築が可能であるか?」というテーマについて、関連する講義と文献紹介を行い、それをベースとした議論を行う。ORTがローカルな課題を扱うのに対して、本講究では、より大きな地理スケールと時間スケールを扱い、より一般的かつ総合的な視点を持たせることを目的とする。また、ディスカッション、文献レビュー、レポート執筆といった、学生が主体となって行う過程を通じて、伝える力を高めることも目的とする。

日程

以下はあくまでも案です。最終的には参加する学生や教員と相談して決定します。
2012年
時間
内容
5月末 2時間×1
  • 日程や時間決め
  • 講究の目的について説明(講義1)
6~8月 2時間×4
  • 講義2・3・4・5と議論
  • 学生によるレポート案の発表と、質疑応答
9~10月 2時間×2
  • 学生による文献紹介と議論
11月 2時間×1
  • 学生によるレポート案の発表、質疑応答、修正や編集に関する議論
12月 2時間×1
  • レポート提出&最終発表会

内容と形式

過去一万年の農業の歴史を俯瞰すると、ナイル川デルタや東アジア水田地帯のように持続的な食料生産を達成した地域もある一方で、メソポタミヤ域やイースター島のように、過剰な灌漑や森林伐採に伴って発生した塩害や土壌流出により、著しく衰退してしまった地域も数多い。本講究では特に、持続的な食料生産という、文明の基盤を維持する上で何がポイントであるのかについて説明する。また過去の気候変動が、人間社会に及ぼした影響についても概説する。

続いて、そのようなポイントを踏まえながら、いかに現在の人間社会を持続させることが可能であるか、持続が不可能であれば、どのようなソフトランディングが可能かについて議論を行う。そのためには、現在の社会経済を最も強力に制御しているグローバル経済を無視できない。そこでまずは、市場における力学を経理解するために、アダム・スミスの「見えざる手」、すなわち需給調整機能としての市場メカニズム(財やサービスの需要・供給がマッチングするように、市場が均衡に向かって動いていき、それが限られた資源を最も効率的に配分する)について説明する。その上で、グローバルな市場経済を加速させる諸条件(輸送コストの低減、財やサービスのcommodity化、基軸通貨などのユニバーサルな決済手段、需要側と供給側との間で商品に関する情報のギャップが少ないこと)について説明する。そして近代において、いかにこれら諸条件が整い、経済のグローバル化が進行したのかについて議論を行い、共通認識を得る。

「見えざる手」の基本原理によれば、市場経済はwin-winの関係のみをもたらすはずであり、事実、我々の社会はその恩恵を大きく受けている。しかし、経済のグローバル化による社会・経済システムの変容は、地域の社会や環境の持続可能性を脅かす場合がある。なぜならば、第一次産業による収入は必ずしも安定的なものではなく、また国際金融資本の意志決定は短期的な視点で行われる事が多いからである。また、多くの経済活動は何らかの環境問題を伴うが、そのような環境コストといった外部不経済は、多くの場合で開発主体の国際金融資本ではなく、地域住民が払う場合が多いからである。そこで、外部講師による講義により、そのような経済のグローバル化に伴う環境・社会問題に関しての個別事例を紹介する。

個々の講義に対して、ノートをまとめる担当の学生を定める。担当となった学生は、講義と、その後の議論を文章にまとめる。その文章は、他の学生、話題提供者、担当教員によるチェックを受けて、年度末に取りまとめる講究レポートの一部とする。続いて、学生による文献紹介プレゼンテーションを通じて、個別事例の積み重ねを継続する。適当な文献やテーマの見つからない学生は、主担当教員と相談の上、以下の文献リストより選択する。

話題提供を行った学生は、発表内容とその後の議論を文章にまとめる。ノートは、他の学生、話題提供者、担当教員によるチェックを受けて、年度末に取りまとめる講究レポートの一部とする。教員や学生からの個々の話題提供の後には、質疑応答に引き続いて、このような問題が発生した本質的な理由について、そしてソフトランディングさせる事が可能かどうかについて議論する。

言語

日本語で行います。必要に応じて、発表資料は英語で作成します。

参考図書

  • 環境と食料生産との関係
  • 「文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの」、ジャレド・ダイアモンド
    「土の文明史」、デイビッド・モントゴメリー
    「土とは何だろうか?」、久間一剛
    「土と地球」、粕渕辰昭
    「生態学入門第2版」10章「生態系の保全と地球環境」、日本生態学会編

  • 日本の人工林管理における諸問題
  • 「人工林荒廃と水・土砂流出の実態」、恩田裕一
    「森林管理の理念と技術」、山田容三
    「「森と水」の関係を解き明かす―現場からのメッセージ」、蔵治光一郎

  • 気候変動と人間社会との関係
  • 「地球温暖化で何が起こるか」、スティーヴン・H シュナイダー
    「古代文明と気候大変動 ―人類の運命を変えた二万年史」、ブライアン・フェイガン
    「気候文明史―世界を変えた8万年の攻防」、田家康

  • グローバル経済について
  • 「グローバリゼーション 人類5万年のドラマ」、ナヤン・チャンダ
    「痛快!経済学1, 2」、中谷巌
    「マクロ経済学I 入門編」N・グレゴリー・マンミュー

  • 現在の世界食糧生産事情
  • ナショナルジオグラフィック2009年6月号 特集「食料危機は克服できるか」
    ナショナルジオグラフィック2008年9月号 特集「地球の悲鳴 食を支える土壌を救え」
    ナショナルジオグラフィック2011年7月号 シリーズ 70億人の地球 食の未来を守る

    問合せ先

    佐藤 永(COE特任准教授)

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