名古屋大学グローバルCOEプログラム 地球学から基礎・臨床環境学への展開

BCES

セミナー

GCOE-BCES特別セミナー
IPCCはどう変えたらよいか?/
「気候安全保障」概念の登場と、日本の温暖化外交の考え方

スケジュール

2011年1月21日(金)15:00-
野依学術記念交流館1階

講演者

真鍋淑郎(名大特別招へい教授)、米本昌平(環境学研究科客員教授)

問い合わせ

懇親会に参加を予定される方は、下記にて事前登録をお願いします。
宛先:gcoe-env@eps.nagoya-u.ac.jp
締切:1月18日(火)13時

詳細

【趣旨説明】
安成哲三(名古屋大学GCOE-BCES拠点リーダー)

【講演1】
講演者:米本 昌平(東京大学先端科学技術研究センター特任教授、名古屋大学客員教授)
題目:「気候安全保障」概念の登場と、日本の温暖化外交の考え方
要旨:2009年12月のコペンハーゲン合意を境に、冷戦終焉以降、20年間の温暖化外交を支えてきた、先進国が先行してCO2削減を行うという理想主義的な交渉の構図は崩壊し、京都議定書の拡張の可能性はほぼなくなった。
その最大の理由は、CO2排出の世界全体の構図が大きく変化したからで、とくに21世紀に入ってからは条約付属書?国のCO2排出は頭打ちになる一方で、BASIC諸国(ブラジル、南アフリカ、インド、中国の4か国)のCO2排出量が急増している。
これによって、温暖化交渉はEUが先導した時代は終わり、南北間交渉が主軸となり、交渉アジェンダは、削減(mitigation)から、削減・適応・影響受忍の「対策カクテル」を議論する方向に進みだしている。
変化の兆候は、中国が最大のCO2排出国となった2007年から現れており、これに呼応する国際政治の動きが、同年4月、国連安全保障理事会における、気候・エネルギー・安全保障に関する討議が開始されたことである。
これを主導したイギリスは、気候安全保障(climate security)という概念をおし出してきている。これは、気候変動はすでに干ばつや自然災害を頻発させる形で、アフリカ・中近東・アジア地域での地域紛争を悪化させている可能性があり、紛争予防という観点から、温暖化と地域紛争を合わせて解釈していく必要がある、という考え方である。
これとは別に、チベットを、南極、北極に次ぐ第三の極(The Third Pole)とし、温暖化が最も進む地域であると同時に、チベット高原はアジア大陸にとっての給水塔であり、温暖化によってチベット・ヒマラヤの氷河が減少すれば、黄河や揚子江などの中国の国内河川だけではなく、メコン、サルウイン、ブラマプトラ、ガンジス、インダスなどの国際河川の、とくに初春の水量が減る恐れがあるため、水資源をめぐって国際紛争が起こる恐れがあることが指摘され始めている。
中国は、急速な経済成長期に入ったまさにその時、国際政治の大勢は温暖化問題を主題にし始めており、内政・外交の両面で難しいバランスを強いられる立場になっている。地政学的に見ると、急成長を遂げる巨大発展途上国の中国と、もっとも省エネ投資が進んだ先進国・日本という、極度に非対称な二国が東シナ海ひとつ隔てて位置する、特異な地域である。日本は中国と本格的な「戦略的互恵関係」をうち立てる必要があり、中国が同意できるような構想を提案するたにも、まずは日本側が、科学研究・政策立案・対中関係を、どのような基本思想に立って行うかを、明らかにする必要がある。

【講演2】
講演演者:真鍋 淑郎(プリンストン大学上席研究員、名古屋大学特別招へい教授)
題目:IPCCはどう変えたらよいか?
要旨:最近のUN(国際連合)の要望で設立された委員会のメンバーとして、IPCCのReviewに参加した。その報告に基づいてIPCCの改善の可能性を模索する。

【総合質疑・討議】

【懇親会】 18:00-

写真

関連リンク

Science Portal(科学技術振興機構) ハイライト
http://scienceportal.jp/highlight/2011/110203.html

http://scienceportal.jp/highlight/2011/110209.html

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