名古屋大学グローバルCOEプログラム 地球学から基礎・臨床環境学への展開

BCES

国内会議

「太陽活動と気候変動の関係」に関する名古屋ワークショップ

スケジュール

2010年11月15日(月)10:00-18:00
名古屋大学 野依記念学術交流館1階

詳細

共催:名古屋大学太陽地球環境研究所、名古屋大学地球生命圏研究機構、名古屋大学グローバルCOEプログラム「地球学から基礎・臨床環境学への展開」

協賛: CAWSIS-II国内委員会、IGBP/PAGES国内委員会、CRP/SPARC国内委員会、WCRP/CLIVAR国内委員会

趣旨
現在、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が中心になって、「地球温暖化」と気候の将来予測に関する研究の国際的なまとめや評価が行われています。しかし、気候変動・変化の機構解明と予測には、まだまだ大きな不確定性が横たわっており、そのために、いわゆる「温暖化懐疑論」も含め、さまざまな議論が行われています。気候の変動には、多くの未解明のプロセスが関与していますが、その中のひとつが、太陽活動の影響に関与するプロセスです。太陽は放射・高エネルギー粒子・あるいは宇宙線の変調などを通して地球の上層から下層の大気に大きな影響を及ぼしています。しかし太陽活動の変化が地球の気候の変化にどの様な役割を果たしているのかは依然明瞭ではありません。特に、現在の温暖化は、人間活動起源の温室効果ガス増加だけではなく、17世紀以降、全球的なスケールで起こったとされる「小氷期」からの戻りとして、地球気候の自然変化も少なくとも部分的には関与しているとの指摘があります。さらに、その原因(のひとつ)として、マウンダー極小期と言われる17世紀の弱い太陽活動が20世紀に向けて次第に強化されてきたという太陽活動の長期的な変化が関係しているという指摘もあります。また、黒点の11年周期や28日周期に代表される自転に伴う太陽活動の変化も、地球気候に何らかの変動を引き起こしているという新しい指摘もあります。
気候システムに内在する非線形性による自然変動や、人間活動の影響による気候の変動・変化は確かに存在すると考えられますが、太陽活動に関する新しい観測や中・高層大気、電離圏まで含めた新しい気候モデル、そして新しい古気候分析の成果が現れてきた現在、気候システムへの外部強制としての太陽活動の影響の定性的定量的評価も、今まさに行われる必要があると考えます。太陽地球系科学に関する国際協同研究プログラムであるCAWSESの第2期プログラムでも、この問題はひとつの大きな課題(CAWSES-II TG1)として取り上げています。また、IPCCを支える国際協同研究プログラムであるWCRPとIGBPでも、この問題を古くて新しい問題として再認識し、いくつかのサブプログラムで取り上げられています。 しかしながら、この問題は、地球惑星科学の中でも、太陽物理学、宇宙線物理学、超高層科学、気候システム科学、古気候学などにまたがる学際分野であるため、それぞれの研究コミュニティ間の情報交換や相互理解は、まだまだ不十分であるといわざるを得ません。
幸い、名古屋大学ではこれらの分野に関連する研究者がいくつかの機関にまたがりつつも、21世紀COEプログラムやグローバルCOEプログラム、地球生命圏研究機構などを通して、細々ながら連携を進めてきました。今回、このグループが呼びかけ人となって、国内の関係研究者に集まっていただき、この問題に関する共通の理解と今後の連携・協力をめざした1日ワークショップを企画いたしました。(関係の学術会議の委員会・小委員会には協賛をいただきました。)
関係各位におかれましては、ぜひご参加いただき、太陽活動と気候変動の関係についての、さまざまな側面とプロセスについての現状の理解と今後の課題について、インプットをいただければと考えている次第です。
なお、大学院生の方など、旅費が必要なみなさんには、可能な範囲で名古屋大学で支援する用意がありますので、その旨ご連絡ください。

呼びかけ人グループ
松見豊(名古屋大学太陽地球環境研究所長・教授、高層大気化学)
草野完也(名古屋大学太陽地球環境研究所・教授、太陽物理学)
小寺邦彦(名古屋大学太陽地球環境研究所・客員教授、成層圏気候力学)
増田公明(名古屋大学太陽地球環境研究所・准教授、宇宙線物理学)
安成哲三(名古屋大学地球水循環研究センター・教授、地球生命圏研究機構長、グローバルCOE拠点リーダー、気候システム科学)
中塚 武(名古屋大学環境学研究科・教授、古気候古環境学)

プログラム

10:00-10:15 趣旨説明(安成)

10:15-12:15 セッション1:話題提供

  1. 太陽活動と太陽圏の変動について
    草野完也(名大STE研)
  2. 古気候学的に見た太陽活動と気候変動の関係
    中塚武(名大環境学研究科)
  3. 成層圏過程を通した太陽活動の気候への影響 
    小寺邦彦(名大STE研)
  4. 地球気候における宇宙線の役割
    増田公明(名大STE研)

12:15-13:15 昼食

13:15-14:15 セッション2:話題提供(つづき)

  1. 気候モデル研究から見た20世紀の気候変動と太陽活動の関係
    野沢徹(国立環境研究所/名大環境学研究科)
  2. 11年周期変動に関連した気候・雪氷変動 
    安成哲三(名大地球水循環センター)

14:15-15:15 セッション3:コメント

  • 太陽活動の影響評価は化学-気候モデルでどこまでできるか
    柴田清孝(気象研・環境応用研究部),黒田友二(気象研・気候研究部)
  • 太陽磁気活動の気候影響―北極振動を手がかりに  
    伊藤公紀(横浜国大)
  • 太陽自転周期と熱帯域の雲活動
    宮原ひろ子(東大宇宙線研)
  • 小氷河期と太陽活動の関係
    赤祖父俊一(アラスカ大学国際北極圏研究センター)
  • 雲パラメータの変化による気候変動の可能性:一次元放射対流平衡モデルとGCMによる数値シミュレーション
    大淵済(JAMSTEC)
  • 太陽活動?雲ー地表太陽放射の関係について 
    大村あつむ(ETH, Zurich)

15:15-15:30 休憩

15:30-17:30 セッション4:総合討論

17:30-17:45 まとめ (松見)

18:00-20:00 懇親会(名古屋大学内グリーンサロン東山「花の木」ミーティングルーム)
 

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